「ジェネラリストのこれからを考える会(GPEP)」設立にあたって
わが国において、プライマリ・ケア関連領域の教育や幅広い健康問題に対応できる臨床医(ジェネラリスト)を志向する研修は、これまでなおざりにされてきたといえます。しかし、近年,基本的臨床能力の習得を目標とする卒前教育・卒後研修の充実や、卒後臨床研修の必修化,国民の声などにより,ジェネラリストへの関心は一段と高まっています。とくに将来の専門にかかわらず全ての研修医が地域保健・医療研修を行うようになったことは特筆に値し、今後より多くの若い医師がジェネラリストの必要性を感じ、興味を示してくれることと確信します。さらに、最近では、医療における高度専門分化という背景に加え、地域医療崩壊、小児医療の不足、後期高齢者の増加などの観点から、ジェネラリストの必要性(ニーズ)が話題に上がることも多い現状です。
このような背景から、ジェネラリストを志向することには大きな希望があります。しかし、その一方で、若い医師がジェネラリストを志向し続けるためには、まだまだ不安や疑問も多い現状です。若い医師が将来ジェネラリストとして活躍するためには、後期研修を経る必要がありますが、わが国ではジェネラリストを志向する後期研修プログラムも多くはない現状で、その充実が急務と考えられます。
現在、プライマリ・ケア関連領域の教育・研修は、卒前教育・初期研修の質の向上と共に、後期研修の充実が問われる時代に突入したといえます。現場でジェネラルな臨床を実践するための臨床能力を自己学習のみで習得する時代に終止符を打つ必要があります。さらには、生涯学習をふくめ、質の高いジェネラリストが求められていると考えられます。これは、緊急性の高い国民のニーズでもありましょう。
そのような時代の流れを受け、2007年春から活動を始めた、われわれ「ジェネラリストのこれからを考える会(GPEP)」は、わが国におけるジェネラリストはどのような医師であるべきか,そのためにどう学んでいくべきかなどを,地域医療,総合診療,家庭医療、在宅医療などさまざまな場で働いてきた中堅医師が手をとり,考えていこうとする団体です。なお、英名のGPEP(Generalist
Proactivators for Evolving Perspectives)は、1984年に米国医科大学協会(AAMC)によってまとめられ、その後の世界の医学教育に大きな影響を与えたと言われているGPEP(Report
of the Project Panel on the General Professional Education of the Physician
and College Preparation for Medicine)レポートにちなんでおります。
我々は、いまこそ、ジェネラルな臨床に興味を持った医学生や研修医がジェネラリストに必要な臨床能力を修得するサポートや、プライマリ・ケア関連の後期研修について、英知を結集する必要性があると強く感じております。我々は、わが国のプライマリ・ケア関連領域の益々の発展を切に願っており、そのために我々の活動が少しでも寄与できれば望外の喜びです。
運営方針
2007年8月吉日
ジェネラリストのこれからを考える会
代表木村琢磨 及びメンバー一同
ジェネラリストのこれからを考える会(GPEP)メンバー(代表以下五十音順、敬称略,2010年5月現在)
| 木村琢磨 | (国立病院機構東埼玉病院 総合診療科) |
| 大西幸代 | (札幌山の上病院) |
| 大西弘高 | (東京大学 医学教育国際協力研究センター) |
| 大野毎子 | (唐津市民病院きたはた) |
| 小田浩之 | (飯塚病院 総合診療科) |
| 川越正平 | (あおぞら診療所) |
| 川島篤志 | (市立福知山市民病院 総合内科) |
| 川尻宏昭 | (諏訪中央病院 総合診療部) |
| 北西史直 | (トータルファミリーケア北西医院) |
| 北村 大 | (市立堺病院 総合内科) |
| 草場鉄周 | (北海道家庭医療学センター,本輪西ファミリークリニック) |
| 小谷和彦 | (自治医科大学 臨床検査医学,地域医療学センター公衆衛生学) |
| 西村真紀 | (川崎医療生協 あさお診療所) |
| 福士元春 | (公立長生病院 地域医療研修センター) |
| 三瀬順一 | (自治医科大学地域医療学センター 地域医療人材育成部門) |
| 本村和久 | (沖縄県立中部病院 総合内科・プライマリケア) |
| 山本 亮 | (佐久総合病院 総合診療科) |